St.Ivesでの週末
CouleureStaff /夏休みの最後、友人家族とかけこみでキャンプへ行ってきました。
St.Ivesは、イギリス最南端のコーンウォール地方に位置する
多くの作家や画家たちに愛されてきた海辺町です。
パキッと晴れると、海が、カワセミのような色になります。
今回はいあにくの曇りでしたが、薄靄のかかる青もまた素敵で、
詩的な雰囲気でした。
夏のバンクホリデー(祝日)は、一年で、一二を争う忙しい日。
人出の多さは、イギリスでは見たことのないほどでしたが
それでも、みんなが夏をなんとか楽しもうとする
ポジティブな気配はよいもの。
St.Ivesには、テート美術館(TATE)のSt.Ives館があり
地元で活躍した作家の作品のほか、面白い企画展が見どころです。
今回は、独立後のモロッコの美術学校/運動を紹介しており、
その現代的な表現、
モロッコの伝統工芸の見直しと作家たちの取り組みなど
とても興味深く目にしました。
当時の現代建築と作家のコラボレーション映像が特に面白く、
Patrice de MazieresのHotel Almoravides, Hotel de Taliouineなど
行ってみたかった!と、何か物語に引き込まれるような気持ちでした。
ぜひ画像検索をしてみてください。
懐かしく感じたのはなぜかしら...。
子どもたちも美術館をゆっくり楽しむことができました。
こんなデザインのかわいらしい冊子やカードが渡され、
どこで描こうかと見渡していると
ゆっくりどこにでも座って楽しんで描いてね、と背中をおされる子どもたち。
楽しそうにのぞきこむ大人たちも多く、
安心して、私たちも作品を見て回ることができました。
もちろん、混雑していないということもありますが
成長を一緒に応援する、少なくとも否定はしないという気配を感じました。
宗教、文化、国籍、言語...
本当にいろいろな価値観の人たちがいる国です。
一緒ではないからこそ、お互いへの想像力を持ちながらも
許容度も高いのかもしれません。
と書きつつ、「当たり前」がないようでいて、ちゃんとある。
なかなか複雑な国、
まだまだ発見だらけのイギリス生活です。
手前の素晴らしい木の彫刻は、バーバラーヘップワース。
St.Ivesで活動を続けた、世界に誇る女性彫刻家です。
お盆を超えると、秋色夏服を縫っていらっしゃる方も日本では多く、
繊細な季節感と、実におしゃれなご様子にときめきます。
写真は、素敵な色合いのショールを展示している毛糸屋さん。
美味しそうで、自分好みの色合いにきゅんとしました。
茶色っぽい紫にひかれるのは、秋への期待からかもしれません。