月の満ち欠けの影響を
これほどはっきりと感じるようになったのは
川の近くに住むようになってからかもしれません。

雨が多い1月でした。朔月と大雨が重なると
川沿いの歩道は水の下へ姿をひそめます。

触れるものと、映るものの堺があいまいになる、
この景色を目にすると、いつも、足を止めずにはいられません。

目がさめる前に、夢と現実がすこし
混ざったような感覚を思い出すのです。

はっと現実に引き戻したのは
対岸から届く賑やかな音でした。
誰かが踊り出す姿も見えました。
ささやかな、でも、感謝を忘れたくない平和な夕方です。